重厚長大から軽薄短小へ

 日本は、1980年後半からさらに高度成長に向かい産業界は動いていました。また、コンピュータなどの普及に伴い、製造業では、『小さいことはいい事だ』との合言葉や、軽薄短小などという言葉がはやり出していました。

 ちょうどその頃、弊社には、オークマ株式会社などから送られてくる図面には複雑な小型形状の機械部品の図面がよく送られて製作依頼がきていましたが、納期が厳しいため、普通ではなかなか受注ができないのが現状でした。

 そこで、下村会長は、一大決心をし『とにかく精密な小物部品にシフトしよう』と決めました。以下は、そのサンプル部品です。
   複合加工図面
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複合加工部品
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1台の複合加工機との出会い

 その時出会ったのが1台の複合加工機でした。自動車や家電メーカーなど大企業は導入していたものの、相当高価な機械であったにもかかわらず下村会長は、時代の変化を察知し迷わず導入に踏み切りました。その時のことを振り返って下村会長は『仕事の当てもないまま(笑)』ポンと1台購入してしまいました。

 またその前に、下村会長は名古屋のある工場に視察に行った際、80名で工場を経営されていた会社が7名で工場経営できるようになった現場を見たのが、こうした決意を固めるきっかけにもなりました。
  

複合加工機
CINCOME32
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CINCOME32によって
出来た完成品
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 こうして、1台の複合加工機を導入することで、今まで一個の機械部品を製作するのに、5〜6台もの機械を使用しなければ加工できなかった加工工程が1台の複合加工機で完成すると言う画期的な作業環境が得られました。これも時代の要請と、発想の素晴らしさ、機転の速さなど、下村会長の英断が良い結果を生み出したといえるでしょう。物づくりにかける挑戦がここから始まったのです。